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2007/03/28

NHK「プロフェッショナル仕事の流儀」“映画を創る~宮崎駿・創作の秘密~”-観た。-

ジブリはこれまで、映画公開前にここまで手の内を晒した事があったのだろうか?
主人公のポニョまで晒して、そしてそれが「ニモじゃねーか!」という、つっこみが入ることも分かった上での放送だろう。

これまでも映画公開前には制作日誌的な番組は放送されてきたし、その中でジブリのスタッフを叱る場面はあったと思うが、宮崎駿監督本人がジブリ以外のスタッフ(ここではNHKディレクター)に文句を言ってる映像など無かったように思う。
それも、ステテコ姿でだ。

たぶん、ジブリは追い込まれている。
「ゲド戦記」も評判悪いし、宣伝材料も無いのではないかと思う。
そして頼ったのが映画では無く、人間、宮崎駿そのものだろう。
柔和な冒頭から終盤の鬼気迫った表情まで確かに魅力がある。
胸の内にグツグツと煮えたぎった物を持っていると、見る人に感じさせるからだ。
人間、宮崎駿に興味を持たせて、映画も観てもらおうという事かもしれない。
しかし、これで最後の奥の手を出してしまった。

もう後が無いジブリが作る「崖の上のポニョ」は、面白いかもしれない。
極めた細密な絵を捨てるという決断が、吉と出るか凶と出るかは分からないが。
※「ゲド戦記」も、それまでのジブリとは背景の画風を変えたはずだが、それが僕にはダメだった。
今回、このように手の内を晒すことで、こちらの意識を慣らす戦法かな。

3月 28, 2007 at 12:00 午前 映画・テレビ | | コメント (0) | トラックバック

2007/03/24

「ホステル:HOSTEL」-暗闇はやはり映画館だな。-

ホステル コレクターズ・エディション 無修正版

【自宅にてDVD】

イーライ・ロス監督の前作「キャビン・フィーバー」も観たのだが、典型的なホラーだなぁという印象しかなかった。
しかし巷の、且つ批評家の評判は良かったはず。
今作は前作以上に前評判が良く、気になってレンタルしたのだった。

が、話題のゴアシーンであるが家のテレビでは、ほぼ真っ暗で何が起こっているのか全然分からない。
叫び声を頼りに想像するしかない(笑)。
最近の液晶やプラズマテレビは暗闇のシーンでも、ちゃんと再現するのだろうか?
テレビにとって、黒の色調はもっとも苦手なはず。
また、当然だが映画は映画館だと強く思った。
なので、ゴアシーンの出来については正直よくわからない。
が、それを差し引いても喧伝されているほどゴアシーンのみを売りにしている映画には思えなかった。
この映画全体に占めるゴアシーンの割合も、それほど多くないように思える。
ハイテンション:HAUTE TENSION」を観た時にも思ったが、あまりゴアシーンばかりを宣伝材料にすると、逆に不評を買うことにならないだろうか。
現に「ハイテンション」も思っていた程では無かった。

今作「ホステル」もゴアシーン以前に良く出来た真っ当な映画であり、そちらで驚かされる。
何気ない会話や行為の伏線も後々ちゃんと効いてくるし。
性欲満タンのボンクラが男女問わず、快楽の国スロバキアを目指し、逆に鬼畜達の餌食にされるという展開も、バックパッカーやレイブパーティーが浸透している現代の状況を上手く取り入れている。
「トレインスポッティング」以降に生まれたホラー映画といった感じだ。
なので、ゴアシーンのみを目当てに観た人にとっては退屈に映るかも。

それにしても、名も無い綺麗な女優さんが惜しげもなくガンガン脱いでる映画は、それだけで価値があるような気がした(笑)。
ヌードなど巷に溢れかえっているのだが、東欧女性の独特な雰囲気と体のラインが綺麗だったせいかもしれない。

【関連サイト】
□ホステル:公式サイト
http://www.hostelfilm.jp/

キャビン・フィーバー スペシャル・エディション キャビン・フィーバー スペシャル・エディション
ライダー・ストロング イーライ・ロス ジョーダン・ラッド

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3月 24, 2007 at 10:10 午後 映画・テレビ | | コメント (1) | トラックバック

「トゥモロー・ワールド」-まるで、イラク戦争の報道映像を観ているような。-

トゥモロー・ワールド プレミアム・エディション

【自宅にてDVD】ネタバレします。

渋く地味な映画だった。
でも、それが良い。
面白かった。

原因不明により子供が生まれなくなった近未来、世界は荒廃し、辛うじてイギリスだけが国としての体裁を保っていた。
そんな世界でたった一人の妊娠した少女を救う為に、主人公は奔走する事になる。

まず、この主人公(クライヴ・オーウェン)が、やる気が無い。
荒廃しきった世界で、やる気を見せろと言うほうが無理なのだが、会社を適当な理由で早退し、ヒッピー崩れの友人のもとに入り浸って、ハッパを吸っている。
一見すると、この主人公は学生運動で革命を促すが夢破れ、息子を亡くし妻とも離婚してる過去があり、且つ世界がこんな状況なので無気力なように見える。
だが、このやる気の無さには僕自身にとっても思い当たるふしがあり(笑)、この主人公の有様は極端ではあるが、現代人の反映として描かれている。
誰もが夢や希望に向かって生きている訳でもなく、厄介な問題には眼をつぶって適当にやり過ごしているだけだからだ。
当然、夢や希望に満ち溢れ、現代社会の諸問題にも眼を向けまくっている意識の高い人もいるだろうが極少数だろう。

今作は主人公の設定だけではなく、映画全体が首尾一貫して現代の反映を意図している。西暦2027年という、近未来と言うにはあまりにも近すぎる設定もそうだし、ホワイトカラーの人々は裕福だが憂鬱な日々を過ごし、中流層は現実に流されるばかりで何も出来ず、貧しき者は暴徒と化す。
ちょっと前に起こったフランスの暴動や、世界各国で頻発するテロを何も考えずとも思い出させる。
(※原作発表が1992年で当時としては35年後なのだが、「ブレードランナー」の頃から比べると近未来の時間設定がかなり現代に近い。)
また、今作で話題の1カット長回しの戦闘シーンも、誰もがイラク戦争の報道映像を思い出すだろう。
ここまで、徹底的に現実を反映させたエンターテイメント系映画も珍しいのではないだろうか?
スピルバーグ監督の「宇宙戦争」が、かなり意識的に9.11テロを取り入れたが、世界の現状そのものを映画に押し込めたという意味では、今作のほうがレベルが上がっている。

子供が生まれない世界というのはSFにはよくあるパターンだろう。
しかし、人物の設定とリアリティに徹した演出が、この映画に説得力を持たせている。
ちょっとキリスト誕生を意識してる感じはするが。

また何故、子供が生まれないのか、何故一人の少女だけが妊娠したのか、ヒューマン・プロジェクトとは何なのか等、何も解き明かされない。
Yahoo!映画などのユーザーレビューを拝見すると、それに対して不満があるようで、だからこの映画は消化不良でつまらない、というレビューもあったが、そんなことはないと思う。
原作を読んでないので分からないが、たとえ原作では謎が解き明かされていたとしても、この映画の製作者が着目したのは謎解きではないだろう。
一人のダメ男の視点から未来への希望と再生を主題にしたのだから。
謎解きをメインにしたければ「ダ・ヴィンチ・コード」のような映画にしたはず。
※あれこそ、つまらない映画だと思うのだが。

今作について映画評論家の町山智浩氏が映画秘宝.comで詳細に解説しています。
この解説で要点は、ほぼ掴めるはずです。
(※ポッドキャスティングです。)

原題「CHILDREN OF MEN:人類の子供たち」であるが、昨今は女性差別の観点からmenを使わずにpeople、humanを使用する傾向にあると辞書にあったが、仮にそうだとすると、原作は主人公と少女の関係性を考えて、敢えて古い用法を使った事になる。
そうだとすれば、邦題も原題のままが良かったのではないだろうか?
まぁ、僕は原作も読んでいないし、そもそも英語自体がダメなので正確には分からないが(笑)。

ピンクフロイドのアルバムジャケに使用された、工場をロケ地に選んだり(※ピンクの豚まで飛ばしてる!)、キング・クリムゾン、ローリング・ストーンズの「Ruby Tuesday※カバーかな」、ジョン・レノンをサントラで使用したりと、オヤジロックではあるが音楽好きな人も楽しめる映画だ。

取り留めのない文になったが、骨太な良い映画だった。
「ブレードランナー」のように時が経つにつれて評価が上がっていくと思う。

【追記】
やる気のない主人公を観ていたら、こちらもイギリス産のゾンビパロディ映画「ショーン・オブ・ザ・デッド」を思い出した。
ちょっと今作と似てるかもしれない。
大変面白い映画だった。

【関連サイト】
□トゥモロー・ワールド:公式サイト
http://www.tomorrow-world.com/

□映画秘宝.com:町山智浩のアメリカ映画特電
http://www.eigahiho.com/podcast.html

ブレードランナー 最終版 ブレードランナー 最終版
ハリソン・フォード ルトガー・ハウアー リドリー・スコット

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ショーン・オブ・ザ・デッド ショーン・オブ・ザ・デッド
サイモン・ペグ エドガー・ライト ケイト・アシュフィールド

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Animals Animals
Pink Floyd

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3月 24, 2007 at 06:15 午後 映画・テレビ | | コメント (1) | トラックバック

2007/03/21

「ヨコハマメリー」-妖精は妖精のままで、か?-

ヨコハマメリー

【自宅にてDVD】ネタバレします。

横浜の街角に立つ、白塗りの老婆。
彼女は娼婦であり、「ハマのメリーさん」と呼ばれていた。
そして、ある日忽然と姿を消すのである。
そんな彼女に関わりを持った人々の回想から、このドキュメンタリーは始まる。

彼女は何処から来て、何処に行ってしまったのか?

僕はてっきり、メリーさんの実像に迫るドキュメンタリーかと思っていたのだが全然違った。

この映画にそれを期待すると拍子抜けしてしまう。
メリーさんを巡る人々の回想と、彼女の生きた戦後史に終始する。
普通は対象に肉薄し、相手が最も触れてほしくない所に土足で踏み入ることすら、やぶさかでないのがドキュメンタリーの典型だと思うのだが、中村高寛監督はそれをしない。
忽然と姿を消したとあるが、その消えた経緯もメリーさんの実家さえも監督は知っている。
さらに映画の後半、まるで憑き物が落ちたかのように白塗りをやめ、可愛らしい上品なお婆さんとなったメリーさんを撮影していながら、本人の口から何ら語らせようとはしない。
何故だろうか?

監督が撮影当時30歳と若いからか?
それも理由のような気がする。

今作を観た直後は、きっとこの監督はやさしい人なのだろう思った。
撮影対象を傷つけ身ぐるみ剥がすようなことはせずに、映画を撮ろうと思ったのではないだろうか。
それはまるで、メリーさんの周辺の人々がメリーさんに向けていた眼差しと同様であるかのように。
そしてそれを観客にも追体験させようとしたのではないだろうか。
英語では[shooting]と言われる映画撮影だが、確かに対象は撃たれ傷つくのだ。
しかしそれをしなければ、普通は面白いドキュメンタリーは作れないと思うのだが。
監督はそれをしなかった。
妖精は妖精のままにしておきたかったのだろう。
撃ってしまってはオーラが消えるから。

と、思っていたが、公式サイトの監督メッセージを読んだら答えはもっと簡単だった。

“監督は神奈川の生まれで中学生の頃からメリーさんを知っていた、そして彼女に対して近寄りがたい雰囲気から畏怖の念を感じていた。
しかしその畏怖の対象であるメリーさんと関わりのある人々を知り、この人々に強い興味を持った。
そして、このドキュメンタリーではメリーさんを通してヨコハマの一時代を浮き上がらせたい。”

要約するとこんな感じだと思うのだが、確かに今作はこの通りだった。
監督の興味の対象は“メリーさんの周辺の人々”であり“ヨコハマ”である。
メリーさんはこの映画では殆ど狂言回しの役割なのだ。
一番、彼女と深い関わりを持った末期癌患者のシャンソン歌手・永登元次郎さんが、この映画の実質的な対象・主人公である。
そして、今は駐車場となっている場所にあったGI専門大衆酒場「根岸家」を中心とした当時の状況を丹念に紐解いてみせる。
確かに横浜の戦後史を綴った映画としては面白いのだが、「ヨコハマメリー」というタイトルと、その姿に興味を抱いた人にとっては消化不良ではある。

「ヨコハマメリーとその時代」みたいなタイトルが正しいと思うのだが、確かにインパクト弱いなぁ(笑)。

消化不良感はありますが「根岸家」のくだりなどは大変面白く、日本の隠れた戦後史を知るという意味においては観る価値は十分あります。

※公式サイトでクレイジーケンバンドの横山 剣氏が
「互いの出自や過去や嘘やこれからを深く詮索しないのは薄情からではなくハマッコのデリカシーからだ。」
コメントを寄せていますが、このドキュメンタリーの全てのような気がする。
まぁ、ドキュメンタリーそのものを全否定するようなコメントですが(笑)。

また、「根岸家」で働いていた三味線奏者:五木田京子さんの演奏が特典映像に納められていますが、大変素晴らしいです。
永登元次郎さんのシャンソンもあります。

【追記】
クレイジーケンバンドの2005年のアルバム「SoulPunch」の特典DVDに、横山 剣氏が若かりし頃の当時を振り返る映像が納められているのだが、これも大変良いです。
現存する、または今はもう無いライブハウス等を横山 剣氏がバイクで案内してくれます。
当時を知らない、または横浜生まれではない人にとっては非常に貴重な映像だと思います。

【関連サイト】
□ヨコハマメリー:公式サイト
http://www.cine-tre.com/yokohamamary/

□クレイジーケンバンド:公式サイト
http://www.crazykenband.com/

ソウルパンチ ソウルパンチ
クレイジーケンバンド

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3月 21, 2007 at 04:55 午後 映画・テレビ | | コメント (0) | トラックバック

2007/03/11

「映画ドラえもん のび太の恐竜2006」「ディープ・インパクト」-反米 VS 全米(笑)。-

映画ドラえもん のび太の恐竜 2006 スペシャル版 (初回限定生産)

【自宅にてTV】

「映画ドラえもん のび太の恐竜2006」のオリジナルは観ていない。
劇場用作品第1弾で名作みたいですね。

で、リメイク版の今作だけど、冒頭スネオの部屋の1ショット長回しのシーンからして、製作者の気合が感じられる。
実写で1ショット長回しは難しい撮影なのは当然だけど、きっとアニメでも難易度は高いだろう。
キャラクター・ストーリーはオリジナルのままなのだろうか?

悪役の黒マスクだが、これは明らかにアメリカ人だよな。
アメリカ人て言うかアメコミのヒーローがベースだろう。
たぶん、マスクの穴の感じからするとキャプテン・アメリカだと思うのだが。
それにテンガロンハットだし二挺拳銃だし、アメリカを代表するアイテムで構成されいる。
恐竜ハンターだからという理由だけで、この造形にしたのだろうか?
オリジナルの造形を知らないので何とも言えないが、意図的にアメリカン・ヒーローを悪役にした印象を受ける。
当然、現代社会の反映として。
手付かずの白亜紀を、己の欲望の為に蹂躙するアメリカン・ヒーロー。
かなり極悪な印象だったのだが。
また、のび太が育てたピー助も日本近海に棲息していたフタバスズキリュウで、アクシデントにより北米にタイムトラベルしてしまったピー助を日本に連れ戻そうとする。
なんか意味深だなぁ~(笑)。
ただの恐竜のお話しには思えないのだが。
オヤジとなった僕の深読みに過ぎないのか?

キャラクター造形もストーリーもオリジナルのままだったとしたら、時代が変わったとしか言いようが無い。
現在の状況で観てたら、反米映画として受け取るけどなぁ。
オリジナルも観てみようかな。

【追記】
のび太が眼鏡を外した時の目だけど、現在は普通の目なのですね。
昔は小さい×印だったような気がしたけど。
何かちょっとショックだった(笑)。

ディープ・インパクト スペシャル・エディション

「ディープ・インパクト」こちらは全米全開(笑)。
何回も観てるのにTVでやってると、つい観てしまうな。
近年の「アルマゲドン」等のディザスターものの中では一番まともな印象だ。
製作総指揮をスピルバーグがしているからなのか、または「ジェイコブス・ラダー」のブルース・ジョエル・ルービンが脚本を担当しているからなのか、意外と陰惨だったりもする。
イライジャ・ウッドはこの頃から既にリングに魅入られていたようだ(笑)。

現実には誕生していない黒人大統領ではあるが神への信仰を訴えたり、教会で夫婦の誓いを立てて危機を逃れようとしたり、彗星を破壊する為のスペースシャトルの名前がメサイヤ(救世主)だったり、かなりキリスト教色が強い。

しかし、あのレポーターの女性を巡る一連の流れは、この映画の中で浮いている。
終盤まで物語を牽引していた人物なのだが、あのような唐突な終わり方は普通しなように思う。
でも、この映画のなかでは一番良い。
これがなかったら、「デイ・アフター・トゥモロー」と大して変わらないバカ映画になっていたはず。
自分の命よりも家族との修復を選び、一時の平安を得るのだが、それを無きものとする圧倒的な破壊力。
その破壊の到来に怯えるレポーターの表情。
このシーンは陰惨だ。
スピルバーグが脚本に捻じ込ませたのかな?

【関連サイト】
□映画ドラえもん のび太の恐竜2006:公式サイト
http://dora2006.com/

□アベンジャーズシリーズ キャプテン・アメリカ 基本DATA マーベルファンクラブ MARVEL FANCLUB
http://www.marvelfanclub.jp/avengers/captain.html

映画ドラえもん のび太の恐竜 映画ドラえもん のび太の恐竜
藤子・F・不二雄 大山のぶ代 小原乃梨子

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3月 11, 2007 at 10:24 午後 映画・テレビ | | コメント (0) | トラックバック