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2008/01/29

「ベクシル 2077日本鎖国」-志村ケンの忍者コントを見習ってほしい。-

「ベクシル-2077日本鎖国-」通常版

【自宅にてDVD】少しネタバレします。

高偏差値の中学生が作ったような映画だった。
設定など凝っているのだが、演出・脚本的にびっくりするような拙さがあったりする。
序盤の日本潜入シーンがそうだ。

闇夜に紛れての潜入であるが、主人公(ベクシル)を含めた特殊部隊ソード(SWORD)の彼等はパワードスーツ的な装備を装着してる。
※公式サイトにはファイタースーツと記載があるな。
なので、歩く度にガシン、ガシンとデカイ音を発するのだ。

隠密潜入でデカイ音出したらマズイだろ!
ドリフの忍者コントだって、志村ケンは抜き足差し足忍び足をしてたじゃないか!

案の定というか当然、潜入は即バレの展開へと発展するのだった。
実写だろうがアニメだろうが、潜入シーンは息を潜めて何ぼでしょ。
(※確かに途中まではそのような演出だったが)
ファイタースーツを身に着けるのならば、身に着けたなりの隠密潜入の演出があってもよさそうじゃないかと思った。
それでも敵にバレるから映画は面白くなるのではないだろうか。
沈黙を守って潜入する醍醐味も、また敵が主人公等の小隊を発見する醍醐味も全然ない。
僕はこの序盤のシーンで、かなりこの映画を真剣に観る気を失くした。

その後も盛り沢山の展開をみせるのだが、見せ場を作る為の辻褄あわせのような気がする。
唐突に『地震が来る~最後のチャンスだ』って、言われてもなぁ。
また、東京を囲っている壁であるがモルモット状態のスラム街の住人達に何故、壁を開閉出来る権限があるのだろうか?
そんな事を許す支配者が何処にいるのだろうか?
全編を通して突っ込み所満載な気がする。
本作は『アップルシード』に続き3Dライブアニメで制作と、映像表現が何かと取り上げられる映画だと思うのだが、それ以前に脚本を如何にかしてほしいと思った映画だった。

監督: 曽利文彦
プロデューサー: 中沢敏明
脚本: 半田はるか 曽利文彦
声の出演: 黒木メイサ 谷原章介 松雪泰子 朴路美 大塚明夫

【関連サイト】
ベクシル 2077日本鎖国:公式サイト
http://www.vexille.jp/

1月 29, 2008 at 02:43 午前 映画・テレビ | | コメント (0) | トラックバック

2008/01/18

「毛皮のエロス/ダイアン・アーバス 幻想のポートレイト」-デヴィッド・リンチ版が観たかった。-

毛皮のエロス~ダイアン・アーバス 幻想のポートレイト~

【自宅にてDVD】ネタバレします。

伝説的な写真家ダイアン・アーバスの生涯をモチーフに作られた本作。
ダイアン・アーバスと言えば、異形の人々を被写体にすることで知られ、自身も自殺で生涯を閉じ、作品のタイトルが“無題”であると、謎に満ちているのだが、本作は非常に分かりやすい。
整理整頓され過ぎているくらいだ。
その事は主人公のキャスティングにも現れている。

保守的な正統派美人のニコール・キッドマンが、これまた保守的なアメリカの中産階級の典型的な装いで登場する。
良き夫とカワイイ娘達がいて幸せだが、いまいち満ち足りない日々を送っているのだが、そこに多毛症の男(ロバート・ダウニー・Jr)が越してくる。
この男と知り合う事により、異質な“向こう側”の扉が開かれる。
多毛症の男に深くのめり込むにつれて、保守的な顔立ち、装いのキッドマンが少しずつラフに淫らに変貌してゆく。
例えるならば、真面目だった同級生の女の子が夏休み明けにヤンキーになってたくらいの分かりやすさだ。
その“夏休み”の部分を「不思議の国のアリス」になぞらえて紐解いたのが、この映画だろう。
しかし、予備知識として「不思議の国のアリス」を下敷きにしていると知らなかったとしても、全く問題は無い。
本編で、あからさまに明示しているからだ。
ニコール・キッドマンは男に会いに行く時には“アリス”のトレードマークである“青い”ドレスを身に着ける。
また、劇中で子供達に「不思議の国のアリス」の絵本を読み聞かせるシーンもある。
ちょっと、直球過ぎるような気がした。
更にダイアン・アーバスの作品が何故、無題なのかについても一つの解答を提示する。
至れり尽くせりなのだが、映画としては面白味がない。

僕はダイアン・アーバスについて正直良く知らない、写真もスタジオボイスか何かで少し見たくらいで、「シャイニングの双子の元ネタだよなぁ」程度の知識だ、当然、伝記も読んでいない。
しかし、きっとダイアン・アーバス自身が何故、写真のタイトルが“無題”なのかについて明言はしていないはずだと思うのだが、どうだろう。
明言してしまっては、“無題”にした意味がなくなってしまうからだ。
※タイトルを付ける前に自殺してしまったのかもしれないが。
いずれにせよ“無題”であることによって、その作品を目にした者自身が想像するしかないのだが、それが作品に接した時の面白味だろう。
映画も同じだと思うのだが。
しかし、本作は“幻想のポートレイト”とタイトルにあるが、観客に幻想させない、想像させない。
全てが用意されている。
“幻想”というよりは“解釈”だ。

仮にデヴィッド・リンチが本作を監督したら、どうなっただろうか?
リンチの映画でもウサギ男や、普通の人が異様な世界に巻き込まれる等、「不思議の国のアリス」に影響を受けているはずだ。
また、異形の人々に対する眼差しなど、本作と共通するところは多々ある。
きっと、デヴィッド・リンチならば、ダイアン・アーバスの謎は謎のまま、観客に投げ出すだろう。
分けが分からないが、刺激的な映画になったに違いない。
有りもしないデヴィッド・リンチ版が観たかった。

ただ一つ、この映画でのダイアン・アーバスは満足したのだろうか?
彼女が愛したのは毛むくじゃらの彼であり、素顔を見せた彼では無いと思うのだが。
たとえ結ばれたとしても、心残りではないのだろうか。
永遠のお預け状態というか。
本編で直接的に明示された彼からの置き土産よりも、このことの方が写真を撮り続ける動機になったように思ったのだった。
本作の唯一の謎だ。

監督:スティーヴン・シャインバーグ
原作:パトリシア・ボズワース 『炎のごとく 写真家ダイアン・アーバス』
脚本:エリン・クレシダ・ウィルソン
撮影:ビル・ポープ
衣装デザイン:マーク・ブリッジス
出演:ニコール・キッドマン ロバート・ダウニー・Jr タイ・バーレル ハリス・ユーリン

【関連サイト】
□毛皮のエロス/ダイアン・アーバス 幻想のポートレイト:公式サイト
http://kegawa.gyao.jp/

□DIANE ARBUS - PHOTOGRAPHS:ダイアン・アーバスの作品が見れます。
http://www.artphotogallery.org/02/artphotogallery/photographers/diane_arbus_01.html

炎のごとく―写真家ダイアン・アーバス
パトリシア ボズワース 名谷 一郎
4163445803

Diane Arbus: An Aperture Monograph (Aperture Monograph) Diane Arbus: An Aperture Monograph (Aperture Monograph)
Diane Arbus

Diane Arbus: Magazine Work Tulsa Public Relations: Public Relations William Eggleston's Guide Lee Friedlander: Self Portrait

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1月 18, 2008 at 01:18 午前 映画・テレビ | | コメント (2) | トラックバック

2008/01/11

アニメ「墓場鬼太郎」-和紙テクスチャ使いまくり-

墓場鬼太郎 (1)

懐かしかった。
子供の頃に読んだ漫画に近い絵柄、ストーリー。
さすがに貸本時代に生まれている訳ではないが(笑)、家にあった漫画本は「墓場鬼太郎」だったのだろうか?
「ゲゲゲの鬼太郎」も時代によってバージョンがたくさんあるから、初期の漫画は「墓場~」と同じ展開だったかもしれないが、よくわからん。

確か、原作ではアニメ冒頭に出てくる患者は鬼太郎の母親の血を輸血したから幽霊化したんじゃなかったかな、と思い検索したらやっぱりそうだった。
生活苦で母親が売血したのだった。
このネタは深夜枠の「大人の鬼太郎」とは言え、原作通りは無理か(笑)。
でも、本アニメでこの部分の変更に違和感があったのは事実だ。
ちょっと、無理やりな感じがした。

表現的な部分での「墓場鬼太郎」だが、和紙テクスチャ使いまくりで凝りまくり。
手書きで和紙に描いたとしたら、和紙は一枚一枚が皺、染みが違うので、アニメーションにすると画面全体がカサカサ、チリチリと細かく動いて見える。
その効果を狙って、背景なのか、前面なのか分からないが、トータルな質感を出す為の和紙テクスチャが有り、さらに細かな和紙の皺、染みをCGだと思うがカサカサと動かしている丁寧さ。
アニメの制作過程は良く知らないが、凝ったことするなぁ。

たまたま、前に観た「怪~ayakashi~・化猫」に質感が似ているなと思ったのだけれど、やっぱり、同じスタッフが関わっていた。

美術ボード:倉橋隆氏、
CGディレクター:森田信廣氏

の両氏だ。
東映アニメーションは和紙テクスチャで突き進むのか(笑)。
次回も期待。

【追記:1】
この従来のアニメと違う感じは、いつ頃から始まったのだろうか?
何と言うか、アニメ畑ではないデザイナーやPVを作っているようなクリエイターが関わっていそうな感じは。
「サムライチャンプルー : SAMURAI CHAMPLOO」あたりからかな。

【追記:2】
友人は日曜日の朝に放送している「ゲゲゲの鬼太郎」を子供と一緒に観ているらしく、話を聞いたのだが、ネコ娘がティッシュ配りのバイトしているみたいじゃないですか!
ろくろっ首にも人間の彼氏がいるみたいだし!
妖怪横丁があって、そこでみんな働いているらしい。

♪オバケにゃ学校も~試験も何にも無い!

じゃ、ないのか!

世知辛いことになってるなぁ。
妖怪くらい気楽にダラダラと無職でいいじゃないかと思うのだが。
かなり凹んだが、逆に観たくなった。
DVD借りるか、とりあえず。

【関連サイト】
□墓場鬼太郎:公式サイト
http://www.hakabakitaro.com/

□ゲゲゲの鬼太郎:公式サイト
http://www.toei-anim.co.jp/tv/kitaro/index.html

□怪~ayakashi~:公式サイト
http://www.toei-anim.co.jp/tv/ayakashi/index.html

□サムライチャンプルー : SAMURAI CHAMPLOO:公式サイト
http://www.samuraichamploo.com/

墓場鬼太郎 (1) 墓場鬼太郎 (1)
水木 しげる

墓場鬼太郎 (2) 貸本まんが復刻版 墓場鬼太郎 (3) 墓場鬼太郎 (4) 墓場鬼太郎 (5) 墓場鬼太郎 6 貸本まんが復刻版 (6)

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1月 11, 2008 at 11:46 午後 映画・テレビ | | コメント (0) | トラックバック

2008/01/10

「フラガール」「バベル」「かもめ食堂」-取り留めなく観る。(その2)-

フラガール(スマイルBEST)

「フラガール」

【自宅にてTV】だいぶ前に観た。

「ウォーターボーイズ」に端を発する“集団訓練モノ”かと、高を括って観たのだが、意外と面白かった。
製作者の志が高かったのだろう。
忘れ去られた時代、人々がエンターテイメント作品として蘇った。

監督: 李相日
脚本: 李相日 羽原大介
撮影: 山本英夫
音楽: ジェイク・シマブクロ
出演: 松雪泰子 豊川悦司 蒼井優 山崎静代 寺島進 志賀勝 岸部一徳

【関連サイト】
□フラガール:公式サイト
http://www.hula-girl.jp/

バベル スタンダードエディション

「バベル」

【自宅にてDVD】

今風のシェルタリング・スカイか?
発展途上国を旅する不仲の夫婦、ターバンを巻いた男達。
徐徐に傷口が深くなるコミュニケーション不全。
また、本作のラストで坂本龍一の楽曲も使用されていたから余計にそう感じたのかな。
シェルタリング・スカイは深く掘り下げるタイプの映画だったが、本作は不幸のグローバリズム化といった様相を呈する。
菊地凛子も頑張っていたが、メキシコ人乳母、アメリア役のアドリアナ・バラーザが強く印象に残る。

しかし、外国人の撮る日本はどうしても、ブレードランナー風と言うか無国籍な感じになってしまうな。
日本中、何処も彼処も巨大モニターだらけじゃない(笑)。

菊地凛子演じるチエコの友人、ミツ役の女優さん、僕は映画「リンダ・リンダ・リンダ」のベース役の女優さんだとばかり思っていた。
それで、結構良い演技してるのに、菊地凛子ばかり話題で、何でこの女優さん話題にならないのだろうと観ながら思ったのだが、ミツ役は「リンダ~」の女優さんではなかった。
そもそも「リンダ~」の女優さんは女優が本職ではなかった、Base Ball Bearのベースの子だった。
ベースが本職だ。
二重の間違い。
で、ミツ役の女優さんであるが、この方は、ろう者の大学生、村田裕子さんという事がわかった。
粥川準二氏のブログで知ったのだけれど、劇場プログラムには何の記載も無かったようだ。
村田裕子さんの要望ではなく、ただ単に端役扱いで記載無しだとしたら、ちょっと酷いと思った。
公式サイトのキャストにも記載がないな・・・
正当に評価すべき。

監督: アレハンドロ・ゴンサレス・イニャリトゥ
脚本: ギジェルモ・アリアガ
撮影: ロドリゴ・プリエト
音楽: グスターボ・サンタオラヤ
出演: ブラッド・ピット ケイト・ブランシェット ガエル・ガルシア・ベルナル 役所広司 菊地凛子 村田裕子 アドリアナ・バラーザ

【参照サイト】
□みずもり亭日誌(粥川準二の雑記帳)
http://www2.diary.ne.jp/logdisp.cgi?user=91038&log=20070430

□手話パフォーマンスきいろぐみ & 手話あいらんど
http://blog.so-net.ne.jp/sign-language/2007-04-03-1

□asahi.com:話題の映画「バベル」に言葉の壁 ろう者が落胆・困惑
http://www.asahi.com/culture/movie/TKY200702220215.html

【関連サイト】
□バベル:公式サイト
http://babel.gyao.jp/

かもめ食堂

「かもめ食堂」

【自宅にてTV】だいぶ前に観た。

この映画を観て、小洒落たカフェを始めたいと思った女子が何万人といただろう、きっと。
温泉に長く浸かっていると気持ちいいが、そんな感じの映画だった。
それ以上でも以下でもない。
現実にあの店をオープンしたら、資産家でもなければ1ヶ月で潰れると思う。
お客は全然入っていないが主人公は困っている様子もない。
最終的に店は満員になるのだが、フィンランドの肉体労働のオッサンが昼飯に日本の定食は食わないだろ、普通。
日本でとび職の兄ちゃんが、昼飯にイタリア人がやっているパスタを食うか?
普通は異国でお店を出したことによる悲喜交々、ドタバタ、悪戦苦闘が映画としての面白さを醸し出すと思うのだが、本作はその辺は全てスルーだ。
言語の壁さえ簡単に飛び越える。
「バベル」とは正反対の世界。
現実を舞台としながらも、中身は完全なファンタジーだ。
適度にシュールでセンスが良い、要するに“ヌルい”ということだが、この辺が新鮮に感じられると言えば、その通り。
でも、センスだけの映画は人生の足しにはならないと思うが。

監督・脚本: 荻上直子
原作: 群ようこ
撮影: トゥオモ・ヴィルタネン
音楽: 近藤達郎
出演: 小林聡美 片桐はいり もたいまさこ ヤルッコ・ニエミ タリア・マルクス マルック・ペルトラ

【関連サイト】
□かもめ食堂:公式サイト
http://www.nikkatsu.com/movie/official/kamome-movie/

1月 10, 2008 at 01:19 午前 映画・テレビ | | コメント (0) | トラックバック